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相続成功事例|遺言執行者を専門家に指定したことで、遠方でもスムーズに相続が完了

このページでは、平野さんの相続手続きを担当した行政書士が、今回の相続を振り返って解説します。

<この事例の概要>
平野 梅さんのお兄様は生前、自分の死後を見据えて入念な準備をしていました。そのおかげで平野さんにとっての相続は、煩雑な手続きがない非常にスムーズなものになりました。お兄様は相続でトラブルの元になりがちな自宅を事前に売却して現金化するなど財産を整理した上で、「すべての財産は妹に相続させる」という内容の公正証書遺言を作成し、行政書士を遺言執行者に指定。結果、相続人である平野さんは何も困ることなく、相続が完了しました。

解説者プロフィール解説者プロフィール

解説者プロフィール

磯村 修世

ところざわ相続専門学院代表(行政書士)

1952年愛知県生まれ、名古屋市内の不動産会社に勤務後、(株)オリエントコーポレーションへ転職、不動産貸付業務及び不動産業務全般に従事。2011年相続専門の行政書士として独立。2012年行政書士・司法書士・税理士・弁護士等の専門家集団「所沢くらしとビジネスを支援する会」の代表就任。他に「ところざわ相続専門学院」主宰。

子どもがいない場合、遺言書の内容は100%実行される

この事例の 被相続人 である平野様のお兄様とは、数年前にお亡くなりになった奥様の相続手続きをお手伝いした際に知り合い、「妻が亡くなったことで、私も思うところがある。自身の遺言書を作成したい」と依頼を受けました。お話を伺ったところで私は、「今回の場合は遺言書に書かれた内容が実現するので、思いのたけを遺言書にしましょう」とお伝えしました。

お兄様にはお子さんがおられず、既にご両親は亡くなっており、相続は兄妹やその子(甥・姪)の範囲で実施されます。この場合、 遺留分 はありませんので、被相続人が遺言書に記したことがすべて実現することになります。

私の説明を受け、お兄様はじっくりと思考を巡らせていました。

二度の遺言書作り直しの裏にあったのは、丁寧な心配り

お兄様は最初、「お世話になった10人くらいに遺したい」という内容で 公正証書遺言 を作成しました。しかし年を経るごとに相続予定者がお亡くなりになるなど状況が変わり、作り直しを希望されました。

次に考えたのがご自身の兄と妹への相続。しかし「兄が先に亡くなったらややこしい」とすぐに考え直し、最終的に一番お世話になった妹の平野様だけに遺産を残すことに決められました。併せて、平野様が相続に関する煩雑な手続きをしなくて済むよう、私を遺言執行者に指定。

一方で、お世話になった方を生命保険の受け取り人に指定するなど、感謝の気持ちを遺していたのです。そうした隅々まで配慮される姿にはとても感銘を受けました。

遺言執行者として手続きを実行

遺言書を作られてから数年後、故郷である大分の老人ホームでお兄様が亡くなったと、平野様からご連絡をいただきました。生前のお兄様のお顔や交わした会話を思い出し悲しみが込み上げてきましたが、私は遺言執行者に指定されています。お兄様の遺された遺言を迅速に実行しなくてはなりません。

まずは納骨のため上京された際に平野様にお会いし、お兄様名義の通帳を預けていただきました。これはお兄様の銀行口座の解約→平野様の口座に入金する作業をするためです。翌日からさっそく諸々の手続きを開始しました。

ところで遺言執行者はご家族など専門家以外でもなれますが、その行為には重責があり、損害が生じた場合は責任を取る必要が出てきます。また相続人の誰かが遺言執行者になった場合、相続配分などの点で揉めてしまうことも。そのため私のような第三者で中立となる専門家に任せた方が安心です。2019年に法律が改正され遺言執行者の権限が明確になったこともあり、より慎重な対応が求められます。

遠方だからこそ安心してもらえるように

相続手続きには(1)相続人の範囲の確定(2)相続財産目録の作成(3)相続財産の分配がありますが、亡くなられた時点であらためて(1)(2)を確定する必要があります。まずは法定相続人の方に私が遺言執行者に就任したことを伝える遺言執行者就任通知書を送付した上で実行しました。

また今回の相続にあたり、平野様には「お兄様としっかり話し合っているし、遺言書通りに私が執行するので何もしなくて大丈夫」とお伝えしました。しかし平野様が住まわれている大分県と私の事務所のある埼玉県は遠く離れています。そのため、ほとんどの連絡が電話となり、不安を抱えていらっしゃいました。

誰でも、顔を見て話せないと不安になるものなので、その気持ちはとてもよくわかります。だからこそ私は、一つ手続きを進めるごとに途中経過を報告し、少しでも不安を解消できるよう努めました。全ての手続きを終え、遺産を平野様の口座に入金した旨をお伝えすると、平野様は電話越しに「よかった」と安堵のため息をついておられました。心から安心した様子が伝わってきて、こちらも安堵しました。

この相続事例は、本人および、
その本人をサポートした専門家
それぞれの視点で紹介しています

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