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相続した実家がまるでゴミ屋敷!覚悟はしていたものの、一掃まで大苦労

2023/3/29

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この相続事例の体験者

この相続事例の体験者

芝島 賢人(仮名)

茨城県在住。66歳。
母が亡くなり、ゴミ屋敷状態の実家を相続。膨大な量の家財整理の処分を段取りを立てて進めたことで無事に完了できた。

想像以上!相続したのはゴミ屋敷化した実家

2019年の冬、母が88歳で永眠しました。晩年はホスピスでほとんど意識がない状態。ある日、深い眠りに落ちるようにこの世を去ったのです。そうして私たち兄弟に埼玉県南部にある実家が遺されたのですが、そこはまるでゴミ屋敷のようでした。

私たち兄弟が暮らしていた頃の実家は、物は多いものの普通に暮らせる家でした。しかし両親はもともと片付けが得意ではなく、物を捨てられない人たち。特に私たち子どもが自立し夫婦2人だけで暮らすようになってからは、それまで子育てにかかっていた時間とお金を父の趣味である骨董集めに投じていたようで、どんどん物が増えていきました。

それでも父が生きていた頃はある程度整理されていたのですが、数年前に父が亡くなってから母は、家を整えることに張り合いややる気をなくしてしまったようです。認知症を発症したのもあって、家はあっという間に足の踏み場もない状態になっていきました。そのため母は家に人を招くのを嫌がり、実家を訪ねても子どもである私たちですら玄関で様子伺いをするのみでした。

そのため母の死を機に、実家の状況をひさしぶりに目にすることになったのです。覚悟はしていたものの、想像以上の有り様で「これを片付けるのか」と憂鬱になりました。

実家を処分するには、家財の全処理が必須!

相続手続きを終え、私たち兄弟は、すぐに実家を処分しようと決めました。それぞれが所帯を持っていて、実家に戻る予定がなかったからです。また使う予定がない家を管理し続けるのは面倒ですし、何より実家の状況から放っておくと近隣に迷惑をかける可能性があると思ったので、お金にならなくて良いから早く処分したいというのが、私たち兄弟の気持ちでした。

しかし私たちは不動産売買の知識がまったくなく、何をどうすれば良いのかわかりません。膨大に残る家財を処分しなくてはいけないことはわかっていましたが、実際に目の当たりにすると何から手をつければ良いのかと、頭を抱えてしまいました。

そんなときにたまたま知ったのが、市が後援している団体が開催している「空き家と相続の無料相談会」。家財整理と売却について相談したところ、「まずは手元に残したいものを除ける」「複数の家財整理の業者から見積もりを取る」「骨董品は鑑定ができる専門業者に来てもらった方が良い」など段取りを教えてもらいました。

あらゆる業者に来てもらい、実家は空っぽに

さっそく実家に行き改めて状態を見てみると、母が暮らしていた一角以外は物で埋め尽くされていると言っても過言ではありませんでした。アップライトの電子ピアノがあることに、物で埋まっていて最初は気づかなかったほどです。台所も物で溢れていて、冷蔵庫の中は食べ物でギッシリ。電気を止めていなかったため幸い臭いはしていなかったものの、漏電を防ぐためにコンセントを抜きたかったのもあり、まず処分しました。

次に、手元に残すものと処分するものを区分けしたのですが、これが本当に大変でした。開けられる引き出しは全て開け、何があるかを一つずつ調べるのは、本当に気の遠くなる作業だったのです。しかもその結果、持っておきたいと思ったものは数少なく、ほとんどが処分するもの。私たちは思い出となる家族写真を分け合い、そのほかに私は父が使っていたDIY用の工具を形見としてもらいました。

その後、数多ある骨董品を引き取ってもらうため、鑑定も兼ねて骨董品業者に来てもらったのですが「買えるものはない」とのこと。鉄瓶や壺、絵画、火縄銃、亀の剥製などがあったのですが、どれも保存状態が悪く、引き取ってもらっただけでした。着物も専門業者に来てもらったのですが、こちらも状態の悪さからほとんど値が付かず。また仏壇は位牌だけ引き取って、お焚き上げをしてくれる専門の業者に処分してもらいました。 それでも残ったものは全て、家財整理業者に引き取ってもらい、ついに実家は空っぽになったのです。

片付けは終わったものの、母の生前に進めておけばよかったと後悔

物を捨てられない人に何を言っても聞き入れてもらえないのは、生前の母を見ていてわかっていました。そのため私はずいぶん前から、最後にこの家を片付けるのは自分だと思っていました。しかし実際に膨大な家財の処分をしてみて、生前から母に疎まれても片付けを積極的に進めておけば良かったと後悔しました。

空っぽになった実家は数ヶ月後、無事に買い手がつき、私たちの手元にはほんの少しですが現金が残りました。思い煩うことがなくなったいま、本当に晴れやかな気持ちです。と同時に、これからは定期的に自分の持ち物を振り返り、整理しようと心に決めました。私自身の子どもたちには同じ思いをさせたくないので、できることを日々やっていこうと思います。

担当した専門家が解説!
「ここがポイント」

「相続した実家がゴミ屋敷状態で、どう処分を進めれば良いかわからない」という方は多くいらっしゃいます。また整理する時間や余裕がないから、とりあえずそのまま放置してしまったために空き家状態が長期化するケースも決して少なくありません。

実家の片付けは、遺された人に託されがちですので、相続が予想される際は親と一緒に片づけを進めるなど、早めの行動をおすすめします。

解説者プロフィール

株式会社北斗ハウジング

株式会社北斗ハウジング

所沢を中心に幅広い不動産サービスを展開。お客様のあらゆるニーズにワンストップでお応えします。売却の難しい不整形地や再建築不可の戸建ての買取りなど、不動産にまつわるあらゆる不安や不満、不便、不実を解消するため、不動産業界の常識に捉われないサービスの提供をおこないます。


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