イエツム

相続のこと、もっとわかりやすく。
もっとスムーズに。

兄妹仲が悪くて実家の処分が決まらない!専門家が第三者として介入し無事解決

2023/3/31

シェアする
  • Facebook
  • Twitter
  • LINE

この相続事例の体験者

この相続事例の体験者

浅田 智洋(仮名)

東京都在住。65歳。
親から相続した実家を名義変更もせずに空き家の状態で放置。そろそろ整理したいと思っているが、姉・妹と折り合いが悪くどう話し合えば良いかわからない。

遺産分割に納得できない!嫁の口出しもあって大喧嘩

5年前に父が亡くなり、私たち兄妹には大阪にある実家が遺されました。その後、名義変更をしておらず、誰も使っていない状況が続いています。どうにかしなくてはいけないと思いつつ放置してきた原因は、姉・妹との不仲でした。家は誰が相続するのかを決められず、また処分するかどうかも話し合えないため、空き家のままになっていたのです。

不仲のきっかけは父の遺産を相続したときのこと。父の口座があった金融機関の場を借りて、預貯金を3人で分けることになりました。しかし当日、私が到着したときには、すでに預貯金が3分割されていたのです。全部でいくらあったのか、何を基準に分割したのかわからず、何より私が把握している額よりだいぶ少ないものでした。

私は姉・妹が私の見えないところで誤魔化して多めにもらっていると思いましたが、相手に強く意見を言うのが苦手な私は黙ったままでした。そして「私は東京に住んでいるから、大阪にあるお墓の維持管理はお願いしたい」と言ったら、姉は「私は介護をしてきたのだから、あとはよろしく」と私任せにしてきたのです。納得できない気持ちを抱えながらも、帰路につきました。

このことを妻に話すと「こんなの、あんまりじゃない!一方的過ぎる!」と憤怒。すぐさま電話で姉に文句を言ったのです。対して姉は「あなたが出てくる幕じゃない」と怒り、以来、疎遠になってしまいました。妹は昔から姉に従っているばかりなので、併せて妹とも連絡を取らなくなったのでした。

コロナ禍で死を身近に感じ、実家整理を決意

それから数年。世の中は「コロナ禍」と呼ばれるようになり、近しい知人が新型コロナウイルスで命を落とすことを体験しました。

感染者が日に日に増えていく中、私の不安も高まります。もし私が死んだら、妻や子どもに実家のことで迷惑をかけてしまうかもしれません。そう考えたら、このまま誰が家を相続するのかの話し合いもできない状態を放置していたらいけないという気持ちが強くなりました。

しかし実家のことについて姉・妹と3人で話し合うのは、おそらく不可能。どうしたものかと頭を抱え、妻に相談したらインターネットで調べてくれて、空き家の管理や活用に詳しいNPO団体を教えてくれたのです。一般の不動産会社では「弟の嫁が見つけてきた会社は信用できない」と突っぱねられる恐れがありますが、NPO団体だったら公平さを感じられて、姉と妹も話に応じやすくなるかもしれない。そう考えた私は、すぐに問い合わせました。

専門家が第三者として介入し、話し合いスタート

さっそく訪ねて事情を話すと「家族だけで話すと揉めやすいので、第三者に入ってもらった方が話が進むと思います。私たちが入りましょうか」と提案してくれました。

担当者から大阪に住む姉・妹へ連絡を取ってもらい、実家の処分についての話し合いをスタート。「誰も使う予定がないのなら実家を処分したほうが良いと思っている」と私の意見を担当者の代弁で切り出してもらうと、2人もいずれは処分するつもりだったという意思がわかりました。しかし処分するにも大金がかかるのではないかと懸念し、ためらっていたようです。懸念した理由は古い家であること、そして父に介護が必要になってから数年同居していた姉の荷物が残っていたこと。

しかし担当者から「おそらく家の状態から一旦処分に要する費用が生じても、、多少お釣りが出るくらいの金額で売れる」という話があると、2人は売却を即断しました。

そこからはとんとん拍子。売却するために実家の登記を一旦私に変更しつつ、姉には新しく借りた倉庫に荷物を全て移してもらい、無事に売却。売却代金は3分割して、実家の整理は完了したのです。

長年の懸念が第三者に介入してもらうだけで、こんなにもスムーズに解決するのかと感嘆しました。

担当した専門家が解説!
「ここがポイント」

相続した不動産の処分は、共有する相続人同士の関係性によっては揉めがちです。特に本件のように、相続人の配偶者が介入することで余計に揉めるケースも見受けられます。

このような場合、専門家に第三者として介入してもらうことをおすすめします。家族の意見は素直に聞けなくても、第三者の意見ならすんなりと聞いてくれたり、また話し合いも第三者がいるだけで冷静に進めやすくなったりすることもあるのです。

また相続登記についても、長年放置しておくと厄介なことになります。例えば登記変更せずに放置している間に相続人が亡くなると、今度は相続人の相続人に手続きをしてもらう必要が出てくるなど、手続きが煩雑になるのです。

実家の処分や相続登記の変更は、放っておいても良いことは何もありません。特に揉める状況が予見できる場合は、できるだけ早く対応することをおすすめします。

解説者プロフィール

株式会社フル・プラス

株式会社フル・プラス

大阪市内にて不動産業・建設業を営んでおり、土地活用や空き家の利活用についてのご提案を行っている企業です。 「所有者様には安心と未来設計を、使用者様には安全と快適をお届けする」という社是のもと、ご相談者様に寄り添った活用方法をご提案します。


この記事にまだコメントはありません

週間アクセスランキング